ミン博士~、私今度は夜中に何度も目が覚めるようになっちゃいました~。
毎晩眠ってから3回以上目が覚めるんです…。
熟睡した気がしなくて、朝は体がダル重なんですけど…これってなんでですか!?
中途覚醒と早期覚醒
まずは『中途覚醒』と、中途覚醒と似ている『早期覚醒』について、それぞれ症状をみていきましょう。
中途覚醒とは?
中途覚醒とは、夜中に何度も目が覚めてしまい、一度目が覚めるとなかなか寝付けず、しっかり寝た気がしない症状が続く睡眠障害です。
とはいっても、睡眠の深さは個人差があり、疲労の度合いや体調によっても日々変化するもの。
毎晩決まって何度か夜中に目が覚める人もいれば、夜中に目が覚めるのはほとんど稀という人もいます。
夜中に何度か目が覚めても、とくに体の不調や疲労がとれないなどといった症状がなければ、気にすることはありません。
問題なのは、夜中に目が覚めるとなかなか再び眠ることができないない状態が続き、慢性的な睡眠不足になってしまうこと。
睡眠時間が足りないため疲れがとれず、さまざまな体の不調が出たり、日中の眠気で生活に支障をきたす人もいます。
さらにはそれがストレスになってしまい、余計に中途覚醒を頻繁に引きおこし不眠の原因になってしまうことさえあります。
中途覚醒は、眠りが浅いときにおきやすく、年齢が上がるにつれておこりやすくなります。
人はだいたい90分周期で、眠りが浅くなる『レム睡眠』の状態が訪れ、その状態は眠りの深い『ノンレム睡眠』の状態に比べて目が覚めやすいのですが、良い睡眠がとれている人はレム睡眠でも目を覚まさずぐっすり眠り続けます。
この違いは、眠りの深さのサイクル以外にも中途覚醒を引きおこす原因が関係していることが考えられるのです。
まさにこれです。
元々眠りは浅いほうだし、私って中途覚醒しやすいタイプかも。
具体的な原因についてはあとから説明するぞよ~。
その前に、中途覚醒と同じくらい悩まされている人が多い早期覚醒についても知っておくべしじゃ。
中途覚醒と早期覚醒の両方で悩んどる人も結構いるんじゃよ。
早期覚醒とは?
早朝覚醒とは、いつもの起床時間よりも2~3時間以上早い時間に目覚めてしまい、そこから再び眠ることが出来ない睡眠障害です。
眠りの途中で目が覚めるという意味では中途覚醒と似ていますが、早期覚醒は午前3時~5時くらいの明け方に目が覚め、再び眠ることができなくなってしまいます。
でも、次の日に遠足や旅行などの楽しい予定があったり、失敗できない客先との打ち合わせの予定があったりすると、いつもよりだいぶ早くに目覚めてしまう経験がある人も多いはず。
このように、精神が高揚していたり緊張した状態で眠ると、お休みモードになっていた神経が予定より早く活動モードに切り替わってしまい、朝早くに目覚めやすくなるものです。
このようなことは誰にでもおこりえることなので、気にする必要はありません。
しかしながら、気持ちの高揚感や緊張感がないにもかかわらず、起床予定時間よりもだいぶ早く目覚めてしまうことが続き、充分な睡眠をとった実感を感じられない場合は要注意です。
中途覚醒と同様に、日中も眠気や疲労感がとれなかったり、さまざまな体と心の不調が出てしまうこともあります。
私、早期覚醒も身に覚えがあります…。
夜中に何度か中途覚醒してウトウトくらいしかできてない状態で、明け方ぱっちり目が覚めてそこから一睡もできないんですよ。
そんな日が続くと、頭が働かないし体は重いし、ほんと何にもやる気がでない!
なんと、中途覚醒と早期覚醒の両方じゃったとは…。
この合わせ技は辛いのう。
夜中に目が覚めてしまう原因は?
中途覚醒・早期覚醒の原因とは?
中途覚醒と早期覚醒の原因は共通していることがほとんどです。
原因には色々なものがありますが、代表的な4つをご紹介します。
①加齢
眠りの深さは年齢とともに浅くなるのが普通です。
睡眠に関わる脳内ホルモンである『メラトニン』は、年齢とともに分泌量がどんどん減少していきます。
高齢になって夜に少量のメラトニンしか分泌されないと、眠りが浅くなって何度も目が覚めてしまったり、睡眠時間が短くなって朝早くに目覚めてしまうのです。
②体の不調・病気
体の不調やさまざまな病気が中途覚醒の原因となっているかもしれません。
体に痛みや痒みをともなう病気や症状がある場合、そのせいで中途覚醒しやすくなることがあります。
腰や首の痛みは、合わない枕やマットレスなどの寝具が原因になっていることもあり、そのせいで睡眠中の寝返りが多くなり中途覚醒しやすくなっているかもしれません。
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が数秒~数十秒間ひんぱんに止まってしまう睡眠障害ですが、呼吸が止まっている状態は苦しいので脳が一瞬覚醒してしまうことがあります。
この時、眠りの深いノンレム睡眠時であれば自覚症状なしに再び呼吸を始め、脳も再入眠することが多いのですが、眠りの浅いレム睡眠時だと目が覚めてしまうことがあります。
寝入りばなや睡眠中に足がビクッと動いたり、ひじが動いたりする動作が繰り返される睡眠障害があり、これも中途覚醒の原因になります。
寝入りばなに脚がビクッと動く、虫がはっているような感じがするなど脚に不快感を感じる症状を『むずむず脚症候群』といいます。
むずむず脚症候群と似ていますが、脚だけでなく手も瞬間的にけいれんする症状を『周期性四肢運動障害』といいます。
周期性四肢運動障害からむずむず脚症候群になることも多くあり、鉄不足の人、妊婦さん、脊髄の病気の人、人工透析をしている人、胃の切除をした人などにも多く見られます。
③生活習慣
中途覚醒しやすい人は生活習慣が関係していることもあります。
毎日就寝する時間が全く違う生活をしている人は体内時計が乱れやすく、睡眠の途中で覚醒しやすくなることがあります。
極端な運動不足や偏った食生活も、質の良い睡眠の大敵になることがあります。
アルコールを摂取するとスッと眠れるという人も多いと思いますが、寝る間際にアルコールを摂取すると中途覚醒しやすくなります。
アルコールは分解される過程で、活動を司る交感神経を刺激する作用があり、睡眠を司る副交感神経が交感神経に切り替わりやすくなるのです。
また、アルコールには利尿作用があるので夜中にトイレに起きやすくなります。
寝る前に食事をしたりお菓子を食べたりすると、胃の中の食べ物が消化されないまま眠りにつくことになります。
消化活動時は消化器官が活発に動いている状態なので、眠りが浅くなり中途覚醒しやすくなってしまいます。
はっ…寝酒におつまみやっちゃてる…。
しまったこれもマズいのか…。
④ストレス
若者にも多いのはストレスが原因の中途覚醒や早期覚醒です。
過剰なストレスや不安に悩まされている状態が続くと、自律神経が不調をきたします。
自立神経は活動を司る交感神経と睡眠を司る副交感神経によって成り立ち、両神経を切り替える働きをします。
しかしながら、自律神経が乱れると活動時と睡眠時にうまく交感神経と副交感神経の切り替えができなくなり、睡眠中も交感神経が優位になってしまうことがあります。
すると、体がリラックスした状態が続かず脳も覚醒しやすくなってしまうのです。
中途覚醒の予防法や対処法とは
では、中途覚醒や早期覚醒の解決策はないのでしょうか?
完全に解決することは難しいかもしれませんが、少しでも良い睡眠をとるために予防法や対処法をご紹介します。
中途覚醒・早期覚醒の予防&対処法
お風呂は湯船につかる
シャワーだけで済ませるのではなく、快眠のためにはゆっくり湯船につかって温まることが重要です。
眠る1~2時間前までに、38℃くらいのぬるめのお湯にゆっくりつかって体の芯まで温まるのが良いでしょう。
体の芯まで温まると、入浴後しばらくすると体の内部の体温が急激に下がります。
これによって、自然と眠気が訪れぐっすり眠りやすくなります。
寝酒や寝る前に物を食べるのは控える
寝つきをよくするために、お酒を飲んだり物を食べるのは就寝前3~4時間までにしましょう。
夏場は熱中症対策に寝る前にコップ1杯の水を飲むことが推奨されていますが、睡眠中にトイレに近くなってしまうことがあるので、夕方から夜にかけての水分の摂りすぎには注意しましょう。
寝室に時計を置かない
夜中に目が覚めたとき、時計を確認することはやめましょう。
時計を見ることでよりはっきりと覚醒してしまい、再び眠りにつくのが難しくなります。
また、「昨夜は〇時と〇時と〇時に〇回起きた」などと気にしすぎると、心理的に追い込まれ余計に中途覚醒や早期覚醒しやすくなります。
寝室に時計があると、どうしても時間が気になってしまったり秒針の音が気になってしまうので、いっそのこと置かないほうが良いのです。
あ~、これわかります、夜中何度も時計気にして見ちゃう。
眠れないときの秒針音って死の宣告かってくらい精神追い込んでくるんですよね。
医師に相談する
中途覚醒や早期覚醒は、日常生活に支障がなければ必要以上に心配する必要はありません。
でも、日常生活に支障をきたしたり、体の不調や病気などが考えられる場合には医師に相談するのが快眠への近道です。
場合によっては睡眠導入剤を処方されるかもじゃが、睡眠導入剤に悪いイメージを持つ人も多いんじゃな。
でも、上手に使えば薬に依存しすぎることなく、ず~っと楽になれのじゃよ。
ここで紹介した以外のぐっすり眠る方法やグッズについては、『ぐっすり眠れるようになるための睡眠の質改善方法とは』の記事で詳しく取り上げているんじゃ。
日中眠くなってしまった時の対処法は
中途覚醒や早期覚醒のせいでしっかり眠れず、日中眠気がきてしまう人のために、簡単にできる対処法をいくつかご紹介します。
耳を引っぱる、もみほぐす
耳を刺激するのが効果的なんです。
① 両手で左右の耳を持ち、横方向にゆっくりと3秒ほど引っぱってはなします。
② 次は耳の上のほうを持ち、上方向にゆっくりと3秒ほど引っぱってはなします。
③ 最後に耳たぶを持ち、下方向にゆっくりと3秒ほど引っぱってはなします。
④ これを3回ほどくり返します。
⑤ 最後に耳全体をもみほぐします。
眠気覚まし飲料やタブレット
眠気覚ましに良いカフェインが含まれている飲み物といえば、一昔前まではコーヒーくらいしかありませんでしたが、今はさまざまな眠気覚まし商品がコンビニなどで売られています。
眠気覚ましのドリンク、タブレット、グミ、フィルム、ガムなど形状も多岐にわたります。
カフェインの摂りすぎに注意して上手に取り入れましょう。
首とわきの下を冷やす
首とわきの下は大きな血管が通っている場所なので、冷やすと頭が冴えて眠気が覚めます。
アイスノンや保冷剤をタオルでくるんで当てたり、冷却シートや冷やした濡れタオルを使用するのも良いでしょう。
首かわきかどっちかだけでもいいんじゃよ。
キーンと冷やしてシャキッとするのじゃ。
ここで紹介した以外にも、『眠いのは病気!?勉強や仕事で眠くならない眠気解消方法とは』の【勉強や仕事での眠気対策】で色々な眠気覚ましを紹介しとるぞよ。