「睡眠負債」はNHKでも特集されたこともあって、何となく聞いたことある人は多いんじゃないかのう。
ネムちゃん、毎日6時間寝ていても油断しちゃいかんぞ。睡眠負債はあからさまな睡眠不足でなくても徐々に増えていくのが怖いところじゃ。
今回は、睡眠負債について詳しく紹介するぞい。
参照:2018年6月18日の夜9時放送『NHKスペシャル 睡眠負債が危ない』
http://www.nhk.or.jp/special/sleep/index.html
NHKでも放送された睡眠負債とは?
「睡眠負債」ってワードを最近耳にすること増えてますよね。でも、そんなの自分には関係ないって決めつけていませんか?
睡眠負債は文字通り、睡眠が足りていない状態が増えていくことですが、毎日極端な睡眠不足が続いている人だけの関連ワードではありません。
自分では毎日それなりに睡眠時間をとっているつもりでも、わずかな睡眠不足がちょっとずつ積み重なってしまうことでも睡眠負債は増えていくのです。
睡眠負債は、日々の生活の質を下げてしまうだけでなく、命にまで関わるさまざまな病気にかかるリスクを高めてしまいますから油断していると取り返しのつかないことに…!
NHKでも特集されて、ますます注目されるようになった睡眠負債。どう予防・対策していけばよいのでしょうか!?詳しくみていきましょう。
誰でも「睡眠負債」がある可能性が!
毎日3~4時間の睡眠では極端な睡眠不足により、疲労やストレスが蓄積して体を壊してしまうことは多くの人が知るところです。
でも毎日6時間程の睡眠時間をとっていたとしても安心ではないんです。ほんのわずかでも睡眠が足りていなければ、その影響が負債のように少しずつ蓄積してしまうことがわかってきました。
極端な睡眠不足でなくても、知らず知らずのうちに毎日の仕事や学習のパフォーマンスが落ちてしまうだけでなく、命にかかわる病気のリスクまで高まってしまうというのです。
日本人の睡眠時間は年々短くなっているといいます。国民栄養・健康調査によれば、H20年に睡眠時間が6時間以下の人の割合が3割未満だったのが、H27年では4割近くに増えているのです。(※1)
自覚なく脳の働きが低下している!?
米ペンシルバニア大学などの研究チームが、徹夜のグループと睡眠時間6時間のグループの注意力や集中力の変化を調査しました。(※2)
徹夜のグループは、初日、2日目と成績が急降下しています。徹夜が続けば当然のことながら脳の働きが急激に衰えます。
一方、6時間睡眠のグループは、調査開始から2日間はほとんど注意力や集中力に変化はありませんでした。
ところがその後、徐々に脳の働きが低下していきます。
そして、2週間後にはなんと徹夜グループの2晩経過後とほぼ同じレベルになってしまったのです。
つまり、6時間睡眠を2週間続けると2晩徹夜した状態とほぼ同じということになってしまうのです。それなのに、6時間睡眠のグループの人はそのことに自覚がない人もたくさんいました。
睡眠負債でがんや認知症のリスクが高くなる!?
睡眠負債は脳の働きを低下させるばかりか、さまざまな病気にかかるリスクが高くなることがわかってきました。
2014年に米シカゴ大学が行った研究では、睡眠を不足させたマウスは、がん細胞が増殖しやすくなることがわかっています。(※3)
本来であれば、がん細胞を攻撃するはずの免疫細胞が、睡眠不足だと、がん細胞の増殖を手助けするようになる可能性があるというのです。
また、東北大学が2万3995人の女性を対象に、睡眠時間と乳がんの発症リスクの関係を7年間調べた研究でも同じような結果になっています。(※4)
平均睡眠時間が6時間以下の人は、7時間寝ている人よりも乳がんのリスクが1.6倍程になることがわかったのです。
そして、もう一つ注目されているのが、睡眠負債と認知症のリスクとの関連です。
スタンフォード大学が行ったマウスを使った実験では、睡眠中にアルツハイマー病の原因物質とも言われるアミロイドベータが排出されることがわかりました。(※5)
アミロイドベータは、認知症発症の20~30年前から蓄積するといわれており、その時期に十分な睡眠をとっていないとアミロイドベータが排出されず、後々に認知症を発症するリスクを高めてしまうことになるのです。
※1~5 参照:『NHKスペシャル 睡眠負債が危ない』
http://www.nhk.or.jp/special/sleep/index.html
睡眠負債がガンとか認知症とも関わってるなんて…怖すぎる!
明らかに睡眠不足の人なら自覚できるけど、6時間くらい眠ってたら十分寝てると思ってました。睡眠負債は自覚しにくいっていうのも落とし穴ですね。
そうなのじゃ。多くの人が自覚しないまま睡眠負債を抱えているってとこが一番深刻じゃ。
まずは気づくことから始めてみることが重要じゃよ。次の項で詳しくみていくのじゃ。
あなたにも「睡眠負債」があるかも?
さて、気になるのは自分にも「睡眠負債」があるのかどうかですよね。自覚がない人も多い睡眠負債ですが、気づくにはどうすればいいのでしょうか?
休日に寝だめをしている人は要注意です。睡眠負債がある場合は、休日など長く眠れる状況では体が負債を返済しようとするからです。
休日の睡眠時間が普段より2時間以上長くなっている場合は、睡眠負債があると思ったほうがいいでしょう。
仕事などが忙しく、休日がなかなか取れなかったり休日も長く眠れない状況の人は尚更要注意ですよ。
そんな人はNHKで紹介された、睡眠医学の専門家の監修の「睡眠負債リスクを調べられるチェックリスト」を試してみることをおすすめします。
睡眠負債チェックリストはこちら ⇒ http://www.nhk.or.jp/special/sleep/index.html
睡眠負債の解消方法とは
では次は、自分に睡眠負債があるとわかったら、どのように返済していけばいいのでしょうか?
睡眠負債の返済、それは言うまでもなく睡眠時間を普段より多くとればよいのです。忙しくて難しいという人も多くいると思いますが、睡眠が6時間以下であれば少しでも多く眠れるように生活を見直す必要があります。
ただし、休日の寝だめは逆効果になってしまうこともあります。寝だめによって体内時計が乱れ、平日の睡眠に支障が出てしまう場合があるからです。
個人差があるので一概には言えませんが、20代~50代であれば休日も平日も7~8時間程度の睡眠時間を取るのが理想です。
高齢者の場合は必要な睡眠時間は減るのが一般的なので、6時間程の睡眠で十分の人も多くいます。
でも、毎日6時間以上眠ろうと思っても、なかなか寝つけなかったり夜中に何度も目が覚めてしまうという人もいますよね。
そんな人は毎日の習慣を見直すことで改善されることもあります。
・朝目覚めたらカーテンを開けて日光を浴びる
・カフェインやアルコールはなるべく就寝3時間以上前までにする
・毎日適度な運動をする
・食事や就寝・起床時間は毎日できる限り同じ時間に
・就寝前にスマホやパソコンの利用は避ける
このようなことを意識するだけでも、ぐっすり熟睡できるようになることもあります。
ただし、寝る前に〇〇は絶対やってはいけない、とか、〇時までには必ず寝なければならない、など神経質になってしまっては余計に睡眠の妨げになってしまいます。
できることから、ゆるい気持ちではじめてみましょう。
以下の記事でも詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
そうやってみんな睡眠負債が増えていくのが残念な現状なのじゃ。睡眠時間を大幅に増やすことが難しければ、毎日ほんのちょっとでも増やす努力をしてみるべしじゃよ。
それと、睡眠の質を高めて、効率の良い睡眠をとるようにしていくことも大事なのじゃ。